こんにちは。広報かなです。
ロシアから帰国して、早1ヶ月が過ぎてしまいました。
時がすぎるのは本当に早いものですね…。
バイカル湖でキャーキャー騒いで遊んだことが、ついこの前のように思い出されるのに。
参加してくれた10人の日本のこどもたちは、今ごろどうしているでしょう。
夏休みの宿題に追われ、学校が始まり、ロシアに行ったことがまるで夢だったかのような錯覚をおぼえる子もいるかもしれません。
だけど、先日、代表むさしが参加者の1人Hに会った時、こんなことを言われたそうです。
H「ねえ、むさし、覚えてる?」
む「…なに?」
H「来年は高校生でKids'AUキャンプに行けないから、ジュニアリーダーの枠をつくるかもって話、ちゃんと叶えてね!」
ふとKids'AUのことを思い出したとき、こどもたちの心の中で、ロシアでの思い出があの時と同じようにキラキラ輝いてくれるといいなと願ってやみません。
♢ ♢ ♢
ということで、その思い出の一片を報告しますね。
まず驚いたのが、夜になっても明るいこと! この写真で夜9時過ぎです。
なのでキャンプ中も、夕飯を食べた後にもうひとプログラム♪という感じ。
ようやく辺りが暗闇にとけ込むのは、10時半頃でした。
そして印象的だったのが、緑の大地。
バイカル湖の東に面したブリヤート共和国は、本当に美しい草原&森林の国です。
短い夏を謳歌するように、ハチや蝶が飛び交い…
次はこっちの花にも…
キャンプ場は、高山植物に似た可憐な花々に囲まれていました。
そして日本のこどもたちは
他国の遊びの輪に勇気を出して入って行ったら、
ルールがよく分からなくて戸惑ったり…
大縄跳びを一緒にやろうと思ったら、
他国の仲良しグループが入ってきてアウェイになったり…
なかなか勇気が出なくて寂しい思いをしたり…
それぞれにいろんな思いを抱きながら
最初の2~3日を過ごしていました。
そして、バイカル湖!
みんな、我を忘れてはしゃいだ後は…
なんだかスッキリ、清々しい笑顔に変わっていました。
その理由を、わたしはこんな風に考えています。
恐らく、「アジアに友達をつくらなきゃ」ではなく、
たとえ一緒に遊んでいなくても
同じ空間にいろんな人達がいると実感でき、
その空間を心地いいと思え、
喋れなくてもなんとなく仲間だという安心感がある…
そんな心の変化がこどもたちに起きたのではないかな?と。
こっちでも同じように砂風呂ごっこ…
あちこちでこどもの笑顔がはじけていました。
その他、地元のこどもたちとの交流や…
各国混合チームでのスポーツ大会も。
そして皆が仲よくなってきた頃にお別れです…。
♢ ♢ ♢
今回、こどもたちと一緒にキャンプを楽しみながら、いろんなことを感じました。
「アジアにともだちをつくろう!」とわたしたちは言うけれど、「ともだち」というのはどの段階からを指すのでしょう。
メールや住所を交換したら? 一緒にバレーボールをしたら? 最後にお別れのハグをしたら? サインをもらったら?
こどもの時ほど、「ともだち」の基準は曖昧なのではないかと思います。
それはつまり、本当は「ともだち」なんて基準は必要ないということかもしれない。「ともだちか」「ともだちじゃないか」を考えることは実はナンセンスで、「ともだち」というカテゴリーをつくること自体、おかしなことかもしれないなと思うのです。Kids'AUのキャンプでこどもたちが最終的に感じ取るのは、恐らく、いろんな人が雑多にいることの面白さではないでしょうか。
それを、もし「ともだちを1人でも多くつくらなきゃ!」ということに固執してしまったら、キャンプの思い出はきっとすごくつまらないものになる。たとえば、ともだちをゲットできたら成功、できなかったら失敗…なんて、そんな根性試しのようなキャンプはつまらないでしょう!
ということは、Kids'AUキャンプは「ともだちづくり」が目的の本質ではないということです。(それでも大人的には「アジアにともだちをつくろう!」と唱ってしまうのですが…^^;)
そう考えると、今までの私の個人的な経験にもつじつまが合います。
たとえばキャンプ最終日、こどもに「ともだちできた?」と聞くと、大抵の子は「できた!」と答えます。でも「どこの国の子?」と聞くと返事が少し曖昧になり、「どの子?」と聞くと更に返事が曖昧になる。それは恐らく嘘をついているのではなく、「できた!」と実感できるだけで十分なのです。
また、こんなこともよくあること。
引率のボランティアリーダーや、わたし自身も、こどもたちの様子を見ていてじれったさを感じることが度々あります。もっと自分から話しかければいいのに…、ほら、自分からもっと輪の中に入っていきなさい…、他国の子と交わる機会がもっと要るんじゃないかしら…等々。
でも、こちら側のそんな思いとは裏腹に、こどもたちは最終日に号泣して別れを惜しみ、「楽しかった!」「また行きたい!」と口を揃えて言うのです。
一体何が楽しかったのか。
きっとこどもたちは、大人が期待しているような成果を求めてなどいません。
もしくは、最初は気にしていたとしても、どこかのタイミングでそんなのどうでもよくなるのではないか…。ともだちができたかどうか?ということよりも、違う国の人のことを気にし合いながら遊んだということ自体が「楽しかった」のではないでしょうか。
キャンプが終わり、ロシアからモンゴルに戻るバスの中。
後部座席で騒いでいた日本のこどもたちのところに、モンゴルの女の子2人がやって来ました。片言の英語で話しかけられ、誰がカッコいいという話題で盛り上がり、最後には身近な話題を懸命に伝え合ってコミュニケーション。
言葉を超えた「つながり」が垣間みれた、微笑ましいひと時でした。