2012年8月16日木曜日

2001年10月1日第1回Kids'AU Camp/石川県千里浜海岸
Kids'AU Camp 2012 がまもなく開催されます。
日本、韓国、北朝鮮、中国、モンゴル、ロシアの北東アジア地域の6つの国のこどもたちが
天空の草原モンゴルに集まります。

2001年に第1回キャンプを開催して12年が経ちました。写真は、初日、各国から集まったメンバーが最初に訪ねた場所。石川の千里浜海岸。私は、この海をこどもたちと一緒にながめながら、「僕たちはこの海でつながっている仲間だ。僕たちは一つだよ。」と話しました。
砂浜に、韓国のこどもが「ウリヌンハナ(私たちはひとつ)」と大きく書いてくれました。

こども23名、スタッフ13名、36名の小さな輪が
目の前の海と重なりました。これがKids'AU Campのはじまりです。
「アジアに100粒の平和の種をまこう!」というのが当初のスローガンでしたが、各国の仲間たちの熱い思いがKids'AU Campを大きく育て、参加した6ヶ国のこどもたちは475名、スタッフは300名(2011)となりました。

戦後67年たっても、北東アジアをとりまく「大人の世界」はもめ続けています。尖閣諸島、竹島・独島、北方領土、従軍慰安婦、戦後補償、南京虐殺、歴史認識、拉致、、、。それぞれ深く重い背景をもった問題ですが、いま、誰もその先の未来を語れないでいます。政治家も教育者もそして私たち市民も。

未来をどうイメージしていけばいいのか。希望をどう拓いていけばいいのか。
私にもわかりません。ただ、ひとついえることは、近づいて、向き合って、分かり合うしかないということです。

私たちがそうであったように、こどもたちは遊ぶことで仲間を作ります。むつかしいことはとりあえず横っちょに置いておいて、言葉を越えて、我を忘れて思いっきり遊ぶ機会をつくる。DSとかカードじゃないくて、自然の中で思い切り遊ぶことで、「幼馴染」になっていける。
それは、おとなにはもうできないこと。こどもだけがもつコミュニケーション能力だとおもいます。
そして、こどものその力を信じられる大人には、多少のおこぼれがもらえるようで、おかげさまで、このKids'AU Campをサポートする私たちスタッフもまるで昔からの「幼馴染」のように国を越えて手をつなぐことができているのです。

Kids'AU Campは、平和な北東アジアの原風景です。もめ続ける大人を横目に、笑いあって野山を駆けまわり、食卓を囲み、枕を並べてやすみます。ただ一緒にいるだけで楽しい。言葉もまともに通じていないのに、こどもたちははしゃぎあい、何かを語り、何かを理解し、笑顔でうなづきあっています。言葉を越えて通じ合う。それは、単純に、同じ人間としての共感なのかもしれません。

韓国のスタッフがこんなことを語ってくれました。
「歴史観なんて政治的意図によって大きく変わってしまう。だから、歴史を理解する前に、人間として触れ合うことが大事だと思う。そうすれば歴史の見方や隣国に対する考え方も変わってくるよ。」

そして、韓国から参加した女の子は、こんなふうに語っています。
「アジアはつながっている。私たちはよく外見で人を判断するけど、そうじゃないと思えるようになった。今は国際交流も盛んだし、各国の言葉も習うことができる。私たちが違うのは、住む場所だけ。文化の違いはあるけれど、それぞれの生活の営みは一緒だから、今はすべてを受け入れられる。つまり、どこの国に行っても順応できる。」

さて、12回目のKids'AU Camp。どんなキャンプになるのかほんとうに楽しみです。


















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